日常(1-2)


日常 1 (角川コミックス・エース 181-1)

日常 1 (角川コミックス・エース 181-1)

日常 2 (角川コミックス・エース 181-2)

日常 2 (角川コミックス・エース 181-2)

「シュール系」という言葉で、一応の説明はできるのでしょうがそれだと大事な何かがとらえきれないような感がする。

と、曖昧なことを言っていることからわかるように、まだ今ひとつ語り切れそうにない作品です。
ので、つらつらと思いつくまま語っていきます。まずあんがいボケとツッコミの基本が作品の底流にあって、癒し萌えマンガというより正統派のギャグマンガの構造に近いように感じます。他のところでも指摘されているけど、ちょっとうすた京介に近いものを感じますか。

突然鹿と戦い出す校長。ネジ回しが背中に刺さっているロボ女子高生と八歳のはかせ等々の濃いというか微妙に壊れたキャラと一応平凡な女子高生(と萌えマンガで呼ばれる彼女らは、全く持って平凡とは言い難いのだが)の政党的なボケとつっこみが組み合わさる、そのマンガ空間は、なかなかに奇怪な空気を漂わせ。それらを強烈に接着しているであろう「萌え」というものの力強さ。表層的には全ての要素を包含しうるそれのある種暴力的な何かを感じつつ楽しめる続きが楽しみな作品。


余談

二巻の著者近影。実に脱力したイラストなのですが、そこに描かれている文庫本のタイトルにびっくり。"The Sirens of Titan"

タイタンの妖女*1 しかも原語版タイトルって、著者はどうやらSFファンのようですねえ。それだけで親近感がましてしまうあたりオタクという人種は実に度し難いです。

*1:さらに余談ながらこのタイトルが話題になるたびに「ようじょ! ょぅι゛ょ!」と叫ぶのはいい加減にした方がいいと思う。自分も含めて