ウェブ社会の思想 自然の占有 よつばと(7)

ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)

ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか (NHKブックス)

再帰性近代の現代をウェブ上の言説やマンガ・小説(古谷実作品、戯言シリーズ)を通じて読み解いていく。著者の問題意識・切り口もなかなかに鮮やか。

様々な論点が示されてはいるが、中心になる概念は「他者」の問題ではないだろうか。「選択肢自体が選択の前提となる」再帰性の社会においては、自己の行為に関する情報が、自己の他の行為の前提化していく。そこでは、旧来の意味での他者の概念はその意味や力を失わざるをえない。しかし、その変化の前提となっているウェブの発展等々を攻撃し、懐古しても意味はない。それはもう不可逆だから。そうした中で、目指される新たな他社製の追求、つまり新たな社会像の提示が、本書のそして著者や彼に類した論者の中心的議論かなあと最近思っています。



自然の占有―ミュージアム、蒐集、そして初期近代イタリアの科学文化

自然の占有―ミュージアム、蒐集、そして初期近代イタリアの科学文化

大著である。総700ページを超え(そのうち注釈が100)たハードカバー。まさに人が殺せます。


ルネサンスにおけるミュージアムの出現と自然のすべてを蒐集し、世界の知識のすべてを所有しようとする探求の形態を明らかにし、古典古代の権威/典拠を踏み超え、ナチュラル・ヒストリーの再生と発展と確立を通して蒐集文化と医学理論と科学文化の複合的な観念体系を語り尽くす。


紹介の通り、初期近代のイタリアのミュージアムに関する体系だった研究書で、とくにミュージアムを上流階級の社会的な交流の場や学者の権力を生成する場としてとらえた論考は、歴史学とミュゼオロジーの接合研究として非常にレベルの高いものだと思います。

それだけでなく、初期近代の現代の思考体系とは全く異なる自然観や、それを明確に美しく示す図像が紹介され、それらを眺めるだけでも楽しい。
それにしても、この蒐集による世界の縮図の構築や、分類体系等々の初期近代の世界観は本当に魅力的です。そのあたりの想像力を取り入れたFTやSFが読みたいし、絶対面白いと思うのですが、何かないかなあ……




よつばと! 7 (電撃コミックス)

よつばと! 7 (電撃コミックス)


まさかこのマンガで、「ここで終わりか!」
と叫ぶことになるとは思わなかった(笑)

そんな、鬼引き?の最新刊。相変わらずのおもしろさ、絵にしてもテンポにしても、ほんの少しはいってくる間が絶妙ですね。

それにしても、よつばやみうらの顔はどんどん丸くなると言うかもう完全に球体ですね。 そのほぼ球体そして鼻なしの少女と、一応鼻ありで人間のような大人たちが違和感なく共存しているこのマンガ(や最近の諸作品)に対して全く違和感を抱かない我々の視覚のありようってのは興味深いですね。