あしたのロボット


あしたのロボット

あしたのロボット

鉄腕アトム」に描かれた未来、ではないけれど―。人間とロボット、ともに永久ではない存在の共生の形を模索した5編を収録。「せつない未来」を描いたロボット小説集。

本当に前向きだなあというのが第一印象。現実のロボット工学に即したテクノロジー描写と、社会描写が一つの読み所としてあって、確かにそのあたりは楽しめます。またロボットというものを通して人間の自己認識なんかの本質に迫るところもなかなか面白い。でも、やはり一番印象に残るのは、著者の圧倒的にポジティブなまなざし、一つ一つの作品がハッピーエンドでなくても、根底に流れているのは人間というもの(そして進歩)への圧倒的な信頼でしょうか。それ自体は別に悪いことではないのですが、その明るさに正直息が詰まる思いがしたのも事実だったりしました。

それにしても、小学生の時に出会って、お話を聞かせてあげた少女がやがてロボット技術者であった主人公と同じ道を歩みそして最後には…… という実にヲタドリームな展開をまじめにかかれると思わず本気でのけぞってしまいます(しかもそのお話は『プリンセス・ブライド』ってんだから、もう)