西の善き魔女VI- 闇の左手 (中公文庫)

西の善き魔女VI- 闇の左手 (中公文庫)

西の善き魔女〈7〉金の糸紡げば (中公文庫)

西の善き魔女〈7〉金の糸紡げば (中公文庫)

西の善き魔女〈8〉真昼の星迷走 (中公文庫)

西の善き魔女〈8〉真昼の星迷走 (中公文庫)


完結まで読了。キャラクター小説として、ファンタジーとして、キャラの魅力掛け合い、SF成分入った世界設定ともに堪能したという感じ(世界設定に関しては不満がないわけではないけど)


しかし、やはり読了して感じるのは、主要キャラクターの少女たちの圧倒的な魅力だった。主人公フィリエルをはじめとしてどの少女たちも強く、美しい。その強さも美しさは自分たちが「女性」であることを明確に意識したところから発しているように思えた。それは女性の魅力を武器とすることを教え込むトーラス女学園の授業や、女王制のグラールという国家まで徹底されている。

そのような前提においてなおかつ少女であることの魅力、それはこういう言い方には問題があることはわかりつつも、女性の作家の視点であり、男性の夢が託された「少女」とは異なっているように思われるのです。

もちろん本作の少女像がリアルであるとは思いません。描かれるのはファンタジーとしての少女たちです。しかしそのファンタジーの位相が男ファンタジーとはどこか異なっており、私にはそれがとても好ましく感じられたのです。

だから真の意味で「少女小説」であったのがこのシリーズであったように思います。


他者/死者/私―哲学と宗教のレッスン

他者/死者/私―哲学と宗教のレッスン

仏教学を基礎に、現代の哲学、宗教、倫理を探求し続ける研究者の論文集。扱っている対象は実に幅広く、田辺元などの哲学者の解釈から、アドルノ手塚治虫古谷実ヒミズ、はてはDeep Loveリアル鬼ごっこまで。

そこで追求されているのは、「語りえないもの」とどう向き合うのかという問い そして死とどう向き合うのか、死者をどのようにとらえるのかという問い。


それらは、宗教哲学の今日を巡る問いでもあるように思えました。
平易な文章でつづられるそれらの問いを巡る著者の思考を通して、それらが我々においてもリアルであり、また有効な問題であるということを強く感じさせてくれる良著であるように思いました。