パサージュ論 第4巻 (岩波現代文庫)

パサージュ論 第4巻 (岩波現代文庫)


本書はベンヤミンの歴史哲学の方法論叙説にあたる章であったり、マルクスに関する論考などが収録されていて彼の思想の中核を考える際に特に重要であると言えるかもしれません。ただ詠んでいて面白いのは、サン=シモンやフーリエといったいわゆるユートピア社会主義者たちに関する断章です。(空想社会主義者って教科書なんかには載っていますが、Utopian Socialism,Utopischer Sozialismusが原語ですので「空想」といってしまうとその本質を外してしまう)

フーリエが「情念引力」といった奇怪なでも最高に面白い思想に代表される(惑星の配列やら人類の超進化やらまさにSF)彼らの思想をベンヤミンの巧みな引用によるコラージュで読む。それは19世紀といった特殊な時代背景によるところの大きい彼らの思想を現代の人間がもっとも正しく読む方法なのかもしれないとふと思ったりします。